学研全訳古語辞典 |
くく・る 【括る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
結んで一つにする。たばねる。
出典万葉集 三三三〇
「玉こそば緒の絶えぬればくくりつつ」
[訳] 玉こそは、(通す)紐(ひも)が切れたなら結んで一つにしておくと。
②
縛る。
出典今昔物語集 一六・二八
「虻(あぶ)、腰をくくられて飛びまどふ」
[訳] あぶは、腰を縛られてうろたえ飛びまわる。
③
括(くく)り染めにする。
出典古今集 秋下
「ちはやぶる神代(かみよ)も聞かず竜田川(たつたがは)韓紅(からくれなゐ)に水くくるとは」
[訳] ⇒ちはやぶる…。
くく・る 【潜る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
物の間のすきまを通り抜ける。水が漏れ流れる。
出典万葉集 五〇七
「しきたへの(=枕詞(まくらことば))枕ゆくくるなみだにそ」
[訳] 枕からもれ流れる涙に。
②
(水中に)潜(もぐ)る。
出典万葉集 二七九六
「水(みな)くくる玉にまじれる磯貝(いそかひ)の」
[訳] 水に潜る玉にまじっている磯の一枚貝のように。◆後に「くぐる」。
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