学研全訳古語辞典 |
そよ(と)
そよそよ(と)。▽静かに風の吹く音、また物が軽く触れ合って立てる音などを表す。
出典万葉集 四三九八
「負征箭(おひそや)の、そよと鳴るまで、嘆きつるかも」
[訳] 背負っている矢が、そよそよと鳴るように、深くため息をついたことであるよ。
そ-よ 【其よ】
分類連語
それだよ。
出典宇治拾遺 六・三
「あれは変化(へんげ)のものぞ。我こそそよ」
[訳] あれは化け物だ。私こそそれだよ(=本物だよ)。
なりたち
代名詞「そ」+間投助詞「よ」
ああ、そうそう。それそれ。▽ふと思い出したり、相づちを打ったり、何かをし始めるときなどに発する語。
出典源氏物語 宿木
「そよ、その工匠(たくみ)も絵師も、いかでか心にはかなふべきわざならむ」
[訳] そうそう、その職人も絵師も、どうして私の満足できるようなものであろうか。
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