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よしの意味

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学研全訳古語辞典

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よ-し

間投助詞

《接続》形容詞の連体形、助詞などに付く。〔感動・詠嘆〕…よ。…なあ。


出典日本書紀 景行


「はしきよし我家(わぎへ)の方(かた)ゆ雲居立ち来(く)も」


[訳] なつかしいなあ、私の家の方から雲が立ち上がって来ることよ。


参考

間投助詞「よ」に副助詞「し」が付いて一語化したもの。多く「あさもよし」「あをによし」「はしきよし」など慣用的な表現の中で用いられる。上代語。



よし 【由】

名詞

理由。いわれ。わけ。


出典徒然草 一七〇


「心づきなき事あらん折は、なかなかそのよしをも言ひてん」


[訳] 気にくわないことがあるようなときには、かえってその理由をも言ってしまうのがよい。


口実。言い訳。


出典万葉集 二六八五


「妹(いも)が門(かど)行き過ぎかねつひさかたの(=枕詞(まくらことば))雨も降らぬかそをよしにせむ」


[訳] 彼女の家の門を通過できなくなってしまった。雨でも降らないかなあ。それを口実に立ち寄ろう。


手段。方法。手だて。


出典伊勢物語 一〇七


「つれづれのながめにまさる涙川袖(そで)のみひぢてあふよしもなし」


[訳] 降りつづく雨にすることもなく物思いに沈んでいると、あなたのことがいよいよ恋しく、落ちる涙の川は水かさがまして袖はぬれますがあなたにお会いする手段とてありません。


事情。いきさつ。


出典土佐日記 一二・二一


「そのよし、いささかに、ものに書きつく」


[訳] その(旅の)事情を、少しばかり紙に書き付ける。


趣旨。


出典源氏物語 夕顔


「ただおぼえぬ穢(けが)らひに触れたるよしを奏したまへ」


[訳] ただ思いがけない汚れに触れた趣旨を奏上なさってください。


縁。ゆかり。


出典伊勢物語 一


「奈良の京(きやう)春日(かすが)の里に、しるよしして、狩(かり)にいにけり」


[訳] 奈良の都の春日の里に領地を所有する縁があって、鷹狩(たかが)りに出かけた。


情趣。風情。


出典源氏物語 若紫


「木立(こだち)いとよしあるは、何人(なにびと)の住むにか」


[訳] 木立がたいそう風情がある所は、どんな人が住んでいるのであろうか。


そぶり。ふり。


出典徒然草 七三


「よく知らぬよしして」


[訳] よく知らないそぶりをして。



よし 【縦し】

副詞

仕方がない。ままよ。どうでも。まあよい。▽「よし」と仮に許可するの意。


出典万葉集 二一一〇


「人皆は萩(はぎ)を秋と言ふよしわれは尾花が末(うれ)を秋とは言はむ」


[訳] 人はみな萩を秋の風物というが、どうでも私はすすきの穂先を秋の風物と言おう。


〔多く下に逆接の仮定条件を伴って〕たとえ。もし仮に。万が一。


出典万葉集 一四九


「人はよし思ひ止(や)むとも」


[訳] 人はたとえあきらめるとしても。



よ・し 【良し・好し・善し】

[一]形容詞ク活用

活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}


りっぱだ。上等だ。


出典平家物語 一一・能登殿最期


「判官(はうぐわん)を見知りたまはねば、物具(もののぐ)のよき武者をば判官かと目をかけて、馳(は)せまはる」


[訳] (能登(のと)殿は)判官(=源義経)の顔をご存じないので、鎧(よろい)・兜(かぶと)のりっぱな武士を判官かと目をつけて、走り回る。


美しい。きれいだ。


出典更級日記 物語


「盛りにならば、容貌(かたち)も限りなくよく、髪もいみじく長くなりなむ」


[訳] (私も)年ごろになったならば、顔かたちもこの上なく美しく、きっと髪もすばらしく長くなるだろう。


すぐれている。善良だ。賢い。


出典枕草子 うらやましげなるもの


「女児も、男児(をのこご)も、法師も、よき子ども持たる人、いみじううらやまし」


[訳] (その子が)女の子でも、男の子でも、(また)坊さん(になっている子)でもすぐれている子どもを持っている人はたいそううらやましい。


高貴だ。身分が高く、教養がある。上品だ。


出典枕草子 にくきもの


「まことによき人のし給(たま)ひしを見しかば、心づきなしと思ふなり」


[訳] 本当に高貴な方が(品のないことを)なさったのを見たので、気にくわないと思うのだ。


上手だ。巧みだ。すぐれている。


出典土佐日記 一・一一


「この歌、よしとにはあらねど、げにと思ひて、人々忘れず」


[訳] この歌は上手だというのではないが、(歌の心情を)なるほどと思って、人々は忘れない。


栄えている。豊かだ。幸せだ。


出典伊勢物語 一六


「貧しく経(へ)ても、なほ昔よかりし時の心ながら」


[訳] 貧しく暮らしていても、依然として昔栄えていたときの心のままで。


感じがよい。快い。楽しい。好ましい。


出典徒然草 一四一


「都の人は、ことうけのみよくて、まことなし」


[訳] 都の人は、口先の返事だけは感じがよくても、誠実味がない。


ちょうどよい。適当だ。都合がよい。ふさわしい。


出典竹取物語 かぐや姫の生ひ立ち


「三月ばかりになるほどに、よきほどなる人になりぬれば」


[訳] 三か月ほどたつうちに、ちょうどよい大きさの大人になったので。


親しい。親密だ。


出典枕草子 故殿の御服のころ


「よき仲なれば、聞かせてけり」


[訳] 親しい仲なので、聞かせてしまった。


[二]補助形容詞ク活用

活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}


〔動詞の連用形に付いて〕…しやすい。


出典古今集 雑下


「世の憂(う)きよりは住みよかりけり」


[訳] (山里の暮らしはわびしかったが)俗世間よりは暮らしやすかったよ。


参考

「よし」と「よろし」の違い 「よし」は積極的にすぐれていると認められるようすを表し、「よろし」は消極的にまあよいと認められるようすを表す。「よし」の反対語は「あし」で、「よろし」の反対語は「わろし」。



よし 【葦・蘆・葭】

名詞

あし(=草の名)の別名。「悪(あ)し」に通ずるのを嫌っていった語。









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