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古語辞典


    



学研全訳古語辞典

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感動詞

はい。▽女性が応答や、承諾する意を表すのに用いる語。


出典源氏物語 行幸


「『いづら、この近江(あふみ)の君、こなたへ』と召せば、『を』と、いとけざやかに聞こえて」


[訳] 「どこにいますか、この近江の君、こちらに」とお呼びよせになると、「はい」と、とてもはっきりと申し上げて。



間投助詞

《接続》種々の語に付く。


〔強調〕…ね。…よ。▽文中に用いる。


出典枕草子 清涼殿の丑寅のすみの


「いかでなほ、少しひがごと見つけてをやまむ」


[訳] (天皇は)何とかして、少しでも(女御の答えに)間違いを見つけてね、その上で終わりにしよう。


〔感動・詠嘆〕…なあ。…なのになあ。…よ。▽文末に用いる。


出典古今集 哀傷


「つひに行く道とはかねて聞きしかど昨日(きのふ)今日(けふ)とは思はざりしを」


[訳] ⇒つひにゆく…。


〔原因・理由〕…が…なので。▽体言に付き、下に形容詞の語幹に接尾語「み」が付いた語・語句を伴う「…を…み」の形で用いる。


出典詞花集 恋上


「瀬を早み岩にせかるる滝川(たきがは)のわれても末に逢(あ)はむとぞ思ふ」


[訳] ⇒せをはやみ…。


語法

「…を…み」の用法の「…を…み」の「を」は強調()の用法で、「み」は原因・理由を表す接尾語である。この「を」を格助詞とする説もある。


参考

間投助詞↓格助詞↓接続助詞の順で成立したと考えられている。間投助詞は中世以降、主に和歌に用いられた。



接続助詞

《接続》活用語の連体形に付く。まれに体言に付く。


〔逆接の確定条件〕…のに。…けれども。


出典源氏物語 桐壺


「まかでなむとし給(たま)ふを、暇(いとま)さらに許させ給はず」


[訳] (桐壺更衣(きりつぼのこうい)は宮中から)退出しようとなさるけれども、(帝(みかど)は)少しも休みをお許しにならない。


〔順接の確定条件〕…ので。…から。


出典万葉集 六二六


「君により言(こと)の繁(しげ)きを故郷(ふるさと)の明日香(あすか)の川にみそぎしに行く」


[訳] 君のことでうわさがしきりなので、旧都である明日香の川にみそぎをしに行く。


〔単純接続〕…と。…ところ。…が。


出典大鏡 序


「『きむぢが姓は何ぞ』とおほせられしかば、『夏山と申す』と申ししを、やがて繁樹となむつけさせ給(たま)へりし」


[訳] 「おまえの姓は何か」とおっしゃったので、「夏山と申します」と申し上げたところ、即座に繁樹とお付けくださった。



名詞

(一)

【峰】山の高い所。尾根。峰(みね)。[反対語] 谷(たに)。


(二)

【丘・岡】おか。



格助詞

《接続》体言や体言に準ずる語に付く。


〔動作の対象〕…を。


出典竹取物語 かぐや姫の生ひ立ち


「野山にまじりて竹を取りつつ」


[訳] 野山に分け入って竹を採取しては。


〔動作の起点・経由点〕…を。…から。


出典源氏物語 桐壺


「あまたの御方々を過ぎさせたまひつつ」


[訳] 多くの女御(にようご)や更衣のお部屋(の前)を何度もお通りすぎになって。


〔持続する時間〕…を。


出典徒然草 七


「あかず惜しと思はば千年(ちとせ)を過ぐすとも、一夜(ひとよ)の夢の心地こそせめ」


[訳] (いつまで生きても)満ち足りずに、(死ぬのが)惜しいと思うなら、たとえ千年を過ごしたとしても、たった一夜の夢のように短い気がするだろう。


〔動作の相手〕…に。…と。


出典竹取物語 かぐや姫の昇天


「さし籠(こ)めて守り戦ふべきしたぐみをしたりとも、あの国の人をえ戦はぬなり」


[訳] (私を塗籠(ぬりごめ)に)閉じこめて守って戦おうという準備をしたとしても、あの(月の世界の)国の人とは戦うことはできないのだ。


〔心情の対象〕…が。…を。


出典竹取物語 火鼠の皮衣


「この翁(おきな)は、かぐや姫のやもめなるを嘆かしければ」


[訳] この翁は、かぐや姫が独身であることが嘆かわしいので。


〔「…を…に」「…を…にて」の形で〕…を(…として)。


出典源氏物語 桐壺


「かたじけなき御心ばへのたぐひなきを頼みにて」


[訳] もったいない(桐壺(きりつぼ)帝の)ご愛情が比べるものがないほど強いのを頼みにして。


〔「寝(い)を寝(ぬ)」「音(ね)を鳴く」など、下の動詞と同じ意味合いの名詞の下に付けた形で、強調を示す〕


出典源氏物語 明石


「昼は日一日(ひとひ)、寝(い)をのみ寝(ね)暮らし、夜はすくよかに起きゐて」


[訳] 昼は一日中、寝ることをするだけで日を暮らし、夜はしゃきっと起きて座っていて。



を- 【雄】

接頭語

〔名詞に付いて〕雄々しい。勇ましい。「を心」「をたけび」



を- 【小】

接頭語

〔名詞に付いて〕小さい。細かい。「を太刀」「を舟」。


〔名詞に付いて〕語調を整える。「を田」「を野」。


〔形容詞や動詞の連用形に付いて〕少し。わずか。「を暗し」「を止(や)む」



を 【男】

名詞

(動物の)おす。(植物の)雄花。◇「牡・雄」とも書く。


男(おとこ)。男性。


夫(おつと)。


出典古事記 垂仁


「をと兄(いろせ)といづれか愛(は)しき」


[訳] 夫と兄と、どちらがいとおしいか。◇「夫」とも書く。[反対語]女(め)。



を 【緒】

名詞

糸。紐(ひも)。


出典古事記 神代


「太刀がをもいまだ解かずて」


[訳] 太刀のひももまだ解かないで。


弓や楽器の弦。つる。


出典枕草子 無名といふ琵琶の御琴を


「弾くにはあらで、をなどを手まさぐりにして」


[訳] (琵琶(びわ)を)弾くのではなくて、弦などを手なぐさみにして。


鼻緒。


出典枕草子 四月、祭の頃


「屐子(けいし)・履(くつ)などに、『をすげさせ。裏をさせ』などもてさわぎて」


[訳] 高下駄(たかげた)や履などに「鼻緒を通して(ください)。裏を張って(ください)」などとあれこれ大騒ぎして。


長く続くこと。また、長く続くもの。


出典万葉集 五八七


「あらたまの(=枕詞(まくらことば))年のを長く我も思はむ」


[訳] 何年もずっと長く私も思おう。



を 【麻・苧】

名詞

麻(あさ)の別名。


麻(あさ)、または苧(からむし)の茎の皮で作った糸。



を 【尾】

名詞

(動物の)尾。


出典拾遺集 恋三


「あしひきの山鳥のをのしだりをの長々し夜(よ)をひとりかも寝む」


[訳] ⇒あしひきのやまどりのをの…。


(動物の尾のように)長く伸びたもの。特に、山の裾(すそ)の長く伸びたところ。


出典古今集 春上


「春霞(はるがすみ)峰にもをにも立ち隠しつつ」


[訳] 春霞が峰にも山の裾にもかかって(山桜を)隠していることよ。









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