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下るの意味

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学研全訳古語辞典

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くだ・る 【下る・降る】

自動詞ラ行四段活用

活用{ら/り/る/る/れ/れ}


おりる。(下流に)移る。くだる。


出典枕草子 うらやましげなるもの


「『…』と道に会ひたる人にうち言ひてくだり行きしこそ」


[訳] 「…」と道で出会った人に言って山をおりていったのは。


(雨や雪が)降る。


出典蜻蛉日記 下


「雨、昨日のゆふべよりくだり」


[訳] 雨がきのうの夕方から降り。


(都から地方に)行く。下向する。


出典更級日記 子忍びの森


「まづ胸あくばかりかしづきたてて、ゐてくだりて」


[訳] まず気持ちが晴れるほどあなたをことさら大切に育てあげて、伴って任地に下向して。


(京都で)南へ行く。▽内裏(だいり)が北にあることから。


出典大鏡 道長下


「西の大宮よりくだらせ給(たま)ひて」


[訳] 西の大宮大路を南に行っていらっしゃって。


下賜(かし)される。与えられる。▽上位の者から下位の者へ物が与えられる。


出典源氏物語 若菜上


「御かはらけくだり、若菜の御羹(あつもの)まゐる」


[訳] (源氏から)お杯が下賜され、源氏は若菜のお吸い物を召し上がる。


言い渡される。▽上位の者から下位の者へ伝えられる。


出典更級日記 竹芝寺


「『…』よしの宣旨(せんじ)くだりにければ」


[訳] 「…」という旨の宣旨が言い渡されたので。


時が移る。(ある時刻を)過ぎる。


出典源氏物語 藤裏葉


「未(ひつじ)くだる程に」


[訳] 午後二時を過ぎるころに。


(身分・品性・才能が)低くなる。劣る。落ちぶれる。


出典枕草子 懸想人にて来たるは


「それよりくだれる際(きは)は、皆さやうにぞある」


[訳] それよりも身分が低くなっている人々(の供人)は、みなこんな具合だ。


降伏する。


出典平家物語 七・木曾山門牒状


「攻むれば、必ずくだる」


[訳] 攻めると、必ず降伏する。


へりくだる。謙遜(けんそん)する。


出典雨月物語 吉備津の釜


「大人(うし)のくだり給ふこと、甚だし」


[訳] あなたが謙遜しなさることは、普通以上だ。



お・る 【降る・下る】

自動詞ラ行上二段活用

活用{り/り/る/るる/るれ/りよ}


(高い所から)おりる。


出典徒然草 一〇九


「かばかりになりては、飛び降るるともおりなん」


[訳] これくらい(の高さ)になったからには、飛びおりてもおりることができるだろう。


(馬・車などから)下りる。


出典更級日記 子忍びの森


「馬よりおりて、そこにふた時なむながめられし」


[訳] 馬から下りて、そこで四時間ほど(=かなり長い間)物思いに沈まないではいられなかった。


退出する。下がる。


出典伊勢物語 六五


「曹司(ざうし)におり給(たま)へれば」


[訳] (女が)自分の部屋に下がりなさっていると。


退位する。


出典大鏡 序


「おのれは水尾(みづのを)の帝(みかど)のおりおはします年の、正月(しやうぐわち)望(もち)の日に生まれて侍(はべ)れば」


[訳] 私は水尾の帝(=清和天皇)がご退位あそばす年(=貞観(じようがん)十八年)の、正月十五日に生まれておりますので。


(神霊が)乗り移る。


出典平家物語 一・願立


「山王おりさせ給(たま)ひて、やうやうの御託宣こそ恐ろしけれ」


[訳] 山王が(巫女(みこ)に)お乗り移りになられて、お告げがあったのは恐ろしいことである。








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