丸

学研全訳古語辞典

まる 【丸・円】

名詞

① 丸い形。丸い物。

② 城郭の内部。「本丸」「一の丸」「二の丸」など。

③ 完全で、欠けたところがないこと。

出典 浮世風呂 滑稽

「借金が多くて、まるの裸で出ますさうだから」

[訳] （遊女奉公の年明（ねんあ）けは）借金が多くて、まる裸で出ますそうだから。

④ すっぽん。▽甲羅が丸いところから。◆「まろ（丸・円）」の変化した語。④は近世上方（かみがた）語。

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まる－ 【丸】

接頭語

欠けていないことを表す。「まる三年」

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－まる 【丸】

接尾語

① 綿などの重さを表す語。一丸は五十斤（＝約三〇キロ）。

出典 日本永代蔵 浮世・西鶴

「打ち綿幾まるか江戸に回し」

[訳] 打ち綿を幾丸か江戸に回し。

② 人・動物・名器・刀・船などの名につける。「牛若まる」◇「まろ」の変化した語。

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まろ 【丸・円】

名詞

① まるいこと。まるい形。またそのさま。

② ふっくらとしていること。

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まろ－ 【丸】

接頭語

手を加えず、そのままであるの意を表す。「まろ寝」

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－まろ 【麻呂・麿・丸】

接尾語

① 男子の名に用いる。「柿本朝臣（かきのもとのあそん）人まろ」。

② 動物や楽器や刀剣などの名に用いる。

出典 枕草子 うへにさぶらふ御猫は

「翁（おきな）まろ、いづら」

[訳] 翁まろは、どこにいるの。