古語:

御の意味

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学研全訳古語辞典

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お- 【御】

接頭語

名詞の上に付いて、尊敬の意を表す。「お前(まへ)」⇒おほん


参考

中古には、「お前(まへ)」「お座(まし)」「お許(もと)」「お物(もの)」などの限られた語に付いた。中世以降は用言にも付くようになり、尊敬や丁寧の気持ちを添える。



ご- 【御】

接頭語

主として漢語に付いて、尊敬の意を表す。「ご殿(てん)」「ご座」。⇒おほん



-ご 【御】

接尾語

「御前(ごぜん)」の略。親しい者を表す名詞に付いて、軽い尊敬の意を表す。「父(てて)ご」「母(はは)ご」



み- 【御】

接頭語

名詞に付いて尊敬の意を表す。古くは神・天皇に関するものにいうことが多い。「み明かし」「み軍(いくさ)」「み門(みかど)」「み子」



おおん 【御】

⇒おほん



おほ-む- 【御・大御】

接頭語

「おほん(接頭語)」に同じ。



おほ-ん 【御・大御】

名詞

接頭語「おほん」の下の名詞を省略した言い方。省略された語によって意味が変わる。


出典源氏物語 梅枝


「対の上のおほんは、三種(みくさ)ある中に」


[訳] 対の上の(合わせられた)お(香)は、三種類ある中に。◆「おほむ」とも。



おほ-ん- 【御・大御】

接頭語

〔神仏・天皇をはじめ、敬意を表そうとする人物に関する事物に付けて〕おん。お。▽尊敬の意を表す。「おほん時」「おほん目」「おほん供」


参考

「御」は、中古では「おほん」と読むのが一般的で、「お」「み」「ご」「ぎょ」は特定の語に付く。「おほん」から変化した「おん」は、中古末期ごろから使われたと考えられる。「おほむ」とも表記する。


語の歴史

平安時代の女流仮名文学では、名詞につく尊敬の接頭語は「御」と表記されることが多く、この「御」が、「おほん」「おん」「お」「み」「ご」「ぎょ」のいづれであるのかはっきりしないことがある。これらのうち、「おほん」「おん(「おほん」の転)」「お(「おん」の転)」については、同時代の他の仮名書きの資料で、「御」に当たる所は「おほん」「おほむ」と書かれ、「おん」は現れないところから、『源氏物語』『枕草子』などでは「おん」よりも「おほん」の形の方が一般的であったと言えよう。「おん」は平安時代末期ごろから現れ、「お」はその後に生じたと考えられる。また、「み」「ご」「ぎょ」については、「み」は伝統的な語に多く使われ、「ご」「ぎょ」は漢語に使われるというように、使われる語の範囲が比較的限られている。しかし、依然として、「おほん」であるのか、「み」「ご」などであるのか、決めがたい場合もある。⇒学習ポイント



おん- 【御】

接頭語

名詞に付いて尊敬の意を表す。「おん衣(ぞ)」「おん身」。◆「おほん」の変化したもの。⇒おほん(御)



ぎょ- 【御】

接頭語

尊敬の意を表す。「ぎょ意」「ぎょ慶」。


特に、天皇・上皇などに関する事物を表す語に付いて、敬意を表す。「ぎょ製」



-ぎょ 【御】

接尾語

動作を表す漢語に付いて、その動作の主体が、天皇またはそれに準ずる人であることを表す。「還ぎょ」「渡ぎょ」「崩ぎょ」



ご 【御】

名詞

「御前(ごぜん)」の略。▽呼び名の下に「…のご」の形で付いて、婦人の尊敬語。


出典土佐日記 二・七


「淡路(あはぢ)のご」


[訳] 淡路のご婦人。








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