学研全訳古語辞典 |
わすれ-がたみ 【忘れ形見】
①
忘れないように残す記念の品。
出典平家物語 七・忠度都落
「かかるわすれがたみを賜りおき候ひぬる上は」
[訳] このような記念の品をいただいておきました以上は。
②
親の死後に残された子。遺児。特に、父親の死後に残された子をいうことが多い。
出典平家物語 九・小宰相身投
「あはれ男子(なんし)にてあれかし。浮き世のわすれがたみにも思ひおくばかり」
[訳] (懐妊している子供は)ああ男の子であってもらいたいねえ。私はその子をこの世に残した忘れ形見であると心に決めておくだけ(である)。
参考
和歌では「忘れ難み」とかけることが多い。
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