学研全訳古語辞典 |
かしこま・る 【畏まる】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
恐れ慎む。恐れ敬う。恐縮する。
出典枕草子 うらやましげなるもの
「やむごとなき人の、よろづの人にかしこまられかしづかれ給(たま)ふ」
[訳] 高貴な人が、大勢の人から恐れ敬われ、大切にされていらっしゃるのは(うらやましい)。
②
わびる。謝罪する。
出典源氏物語 初音
「心惑はし給(たま)ひし世の報いなどを、仏にかしこまり聞こゆるこそ苦しけれ」
[訳] 心をお惑わしになったときの罪の報いなどを、仏に謝罪し申し上げるのはつらいことだ。
③
慎んで正座する。
出典宇津保物語 忠こそ
「忠君(ただきみ)のおり給(たま)ふ所に、五位六位ひざまづきかしこまる」
[訳] 忠君のおおりになる所に、五位・六位の人々が、ひざまずき慎んで正座する。
④
慎んで命令を受ける。
出典大鏡 実頼
「夢のうちにもいみじうかしこまり申すと思(おぼ)すに」
[訳] 夢の中ながらも、ひどく恐れ慎んで受け申し上げると(佐理(すけまさ)の大弐(だいに)は)お思いになると。
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