学研全訳古語辞典 |
ちはやぶる…
分類和歌
出典百人一首
「ちはやぶる(=枕詞(まくらことば))神代(かみよ)も聞かず竜田川(たつたがは)韓紅(からくれなゐ)に水くくるとは」
出典古今集 秋下・在原業平(ありはらのなりひら)
[訳] 不思議なことが多かったという神代でも、こんなことは聞いたことがない。竜田川の水を、紅葉(もみじ)の葉が紅(くれない)にくくり染めにするなんて。
鑑賞
詞書(ことばがき)に、紅葉の流れる竜田川を描いた屛風絵(びょうぶえ)を題として詠(よ)んだとある。紅葉を浮かべる竜田川のさまを、くくり染めの織物に見立てた歌である。
ちはや-ぶる 【千早振る】
分類枕詞
①
荒々しい「氏(うぢ)」ということから、地名「宇治(うぢ)」にかかる。「ちはやぶる宇治の」。
②
荒々しい神ということから、「神」および「神」を含む語、「神」の名、「神社」の名などにかかる。
出典古今集 秋下
「ちはやぶる神代(かみよ)も聞かず」
[訳] ⇒ちはやぶる…。
ちはや-ぶる 【千早振る】
上二段動詞「ちはやぶ」の連体形。たけだけしい。荒々しい。のちには「ちはやふる」とも。
出典万葉集 一九九
「ちはやぶる人を和(やは)せ」
[訳] 荒々しい人を懐柔し。
ちはやぶるのページへのリンク |