学研全訳古語辞典 |
ふぢ-なみ 【藤波・藤浪】
①
藤の花房の風に揺れるさまを波に見立てていう語。転じて、藤および藤の花。
出典古今集 夏
「わが屋戸(やど)の池のふぢなみ咲きにけり山ほととぎすいつか来(き)鳴かむ」
[訳] わが家の庭先の池のほとりの藤の花が咲いたことよ。山のほととぎすはいつになったら飛んで来て鳴くだろうか(待ち遠しいことだ)。
②
藤原(ふじわら)氏のたとえ。
出典今鏡 藤波中
「ふじなみのあと絶えず」
[訳] 藤原氏の跡継ぎは絶えないで。
参考
和歌に多く用いられる語で、平安時代には「ちはやぶる賀茂の川辺のふぢなみは懸けて忘るる時の間ぞ無き」(『梁塵秘抄』)のように、藤原氏の繁栄を歌意にこめる場合がある。
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