学研全訳古語辞典 |
とり-い・る 【取り入る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
(物の怪(け)が人間の心に)入(はい)り込む。
出典平家物語 三・赦文
「こはき御物の怪どもとりいり奉る」
[訳] こわい御物の怪たちが入り込み申し上げる。
②
かかわる。
出典今鏡 藤波下
「世のまめなる事はとりいらぬ御心にや」
[訳] 世間の実際的な事にはかかわらないおつもりではないか。
③
へつらう。
出典源平盛衰記 二六
「太政大臣にとりいり」
[訳] 太政大臣にへつらい。
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
①
取り次ぐ。受け取る。
出典竹取物語 火鼠の皮衣
「竹取出(い)で来て、とりいれてかぐや姫に見す」
[訳] 竹取の翁が出て来て、受け取ってかぐや姫に見せる。
②
(物の怪(け)が人の心を)引き入れる。
出典源氏物語 葵
「御物の怪の、たびたびとりいれ奉りしを」
[訳] 御物の怪が、たびたび(心を)引き入れ申し上げたのを。
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