学研全訳古語辞典 |
ま-み・ゆ 【見ゆ】
活用{え/え/ゆ/ゆる/ゆれ/えよ}
お目にかかる。お会いする。▽「会ふ」「見(み)ゆ」の謙譲語。
出典日本書紀 神代上
「ただ姉(なねのみこと)と相(あひ)まみえむと欲(おも)ひて」
[訳] ただ姉上様にお目にかかろうと思って。◆「ま(目)み(見)ゆ」の意。
み・ゆ 【見ゆ】
{語幹〈み〉}
①
見える。目に入る。
出典万葉集 八四一
「梅の花吾家(わぎへ)の園に咲きて散るみゆ」
[訳] 梅の花がわが家の庭園に咲いて散るのが見える。
②
見られる。
出典源氏物語 若菜上
「大将にみえ給(たま)ふな」
[訳] 夕霧大将に見られなさるな。
③
見せる。思わせる。
出典大和物語 一四九
「さて、出(い)でて行くとみえて、前栽(せんざい)の中に隠れて」
[訳] さて、(男は家を)出て行くと思わせて、庭の植込みの中に隠れて。
④
姿を見せる。現れる。来る。
出典枕草子 大進生昌が家に
「さてもかばかりの家に、車入らぬ門(かど)やはある。みえば笑はむ」
[訳] それにしても、これほどの(立派な)家に、牛車(ぎつしや)の入らない門があろうか、あるはずがない。(この家の主人の生昌(なりまさ)殿が)来たら笑ってやろう。
⑤
会う。対面する。
出典徒然草 四二
「後は坊の内の人にもみえずこもりゐて」
[訳] その後は、僧坊のなかの人にも会わずにとじこもっていて。
⑥
結婚する。妻になる。
出典平家物語 七・維盛都落
「いかならむ人にもみえて、身をも助け、幼き者どもをもはぐくみ給ふべし」
[訳] どのような男であっても結婚して、あなた自身の身を守り、幼い子供たちをも大切にお育てになるがよい。
⑦
思われる。考えられる。
出典源氏物語 若紫
「中に、十ばかりにやあらむとみえて、白き衣、山吹などのなえたる着て、走り来たる女子(をんなご)」
[訳] そのなかに、十歳ぐらいであろうかと思われて、白い衣、山吹襲(かさね)などの柔らかくなったのを着て、走って来た少女は。
見ゆのページへのリンク |