学研全訳古語辞典 |
う 【得】
活用{え/え/う/うる/うれ/えよ}
①
手に入れる。自分のものにする。
出典竹取物語 貴公子たちの求婚
「いかで、このかぐや姫をえてしがな、見てしがなと」
[訳] どうにかしてこのかぐや姫を手に入れたいものだなあ、結婚したいものだなあと。
②
得意とする。優れる。
出典古今集 仮名序
「これかれえたるところ、えぬところ、互ひになむある」
[訳] それぞれ得意としている点、得意としない点がお互いにある。
③
〔多く「心を得」「意を得」などの形で〕理解する。
出典今昔物語集 二九・一八
「盗人(ぬすびと)これを見るに、心もえねば」
[訳] 盗人はこれを見るが、意味もわからないので。
④
〔用言の連体形に名詞「こと」に格助詞「を」の付いた「ことを」の付いた形に続けて〕…を可能とする。…できる。
出典今昔物語集 六・二一
「汝(なんぢ)が寿命を延ぶることをえたり」
[訳] おまえの寿命を延ばすことができた。
活用{え/え/う/うる/うれ/えよ}
〔動詞の連用形に付いて〕…(することが)できる。
出典徒然草 二一五
「『これぞ求めえて候ふ』と申ししかば」
[訳] 「これを見つけることができました」と申し上げたところ。
注意
ア行に活用する動詞は、「得」とその複合語「心得(う)」「所得(う)」などだけ。
え 【得】
動詞「う」の未然形・連用形。
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