学研全訳古語辞典 |
したが・ふ 【従ふ・随ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
従う。言うことをきく。服従する。
出典古今著聞集 三四七
「汝(なんぢ)がほしく思はむものを所望(しよまう)にしたがひて与ふべし」
[訳] お前がほしいと思うものを望みに従って与えよう。
②
ついてゆく。供をする。
出典源氏物語 玉鬘
「したがひたりし者どもも、類にふれて逃げ去り」
[訳] 供をしてきていた者たちも、知り合いを頼って逃げてしまい。
③
順応する。応じる。
出典徒然草 一五五
「世にしたがはん人は、まづ機嫌を知るべし」
[訳] 世間に順応しようとする人は、まず物事のしおどきを知らなければならない。
④
所有する。
出典徒然草 一八
「さらに身にしたがへる貯(たくは)へもなくて」
[訳] 全く自分の所有している財産もなくて。
活用{へ/へ/ふ/ふる/ふれ/へよ}
①
服従させる。従わせる。
出典落窪物語 四
「我こそ人をばしたがへしか」
[訳] 私は人を服従させていたのに。
②
引き連れる。後について来させる。
出典源氏物語 玉鬘
「人をしたがへ、事執り行ふ身となれるは」
[訳] 人を引き連れ、物事を取りしきる身になったのは。
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