学研全訳古語辞典 |
おはし-ま・す 【御座します】
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
いらっしゃる。おられる。おありになる。▽「あり」の尊敬語。
出典伊勢物語 八二
「昔、惟喬親王(これたかのみこ)と申す親王おはしましけり」
[訳] 昔、惟喬親王と申し上げる親王がいらっしゃったそうだ。
②
いらっしゃる。おいでになる。お出かけになる。お越しになる。▽「行く」「来(く)」の尊敬語。
出典伊勢物語 八三
「昔、水無瀬(みなせ)に通ひ給(たま)ひし惟喬親王、例の狩しにおはします供に」
[訳] 昔、水無瀬に通いなさった惟喬親王が、いつものように鷹(たか)狩りをしにおいでになるお供として。
活用{さ/し/す/す/せ/せ}
①
〔用言の連用形、断定の助動詞「なり」の連用形「に」、またそれらに助詞「て」が付いた形に付いて〕…て(で)いらっしゃる。…て(で)おいでになる。▽尊敬の意を表す。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「ここにおはするかぐや姫は、重き病をし給(たま)へば、え出(い)でおはしますまじ」
[訳] ここにいらっしゃるかぐや姫は、重い病気にかかっていらっしゃるので、出ていらっしゃることはできないでしょう。
②
〔尊敬の助動詞「す」「さす」の下に付いて〕…ていらっしゃる。…てあらせられる。▽高い尊敬の意を表す。
出典枕草子 五月ばかり、月もなう
「上(うへ)も聞こしめして、興ぜさせおはしましつ」
[訳] 帝(みかど)もお聞きあそばされて、お楽しみなさっていらっしゃった。
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