学研全訳古語辞典 |
いか-に 【如何に】
①
どう。どのように。
出典大和物語 一四九
「あやし、いかにするにかあらむ」
[訳] 変だ、どうするのであろうか。
②
どうして。なぜ。
出典徒然草 一〇九
「かばかりになりては、飛び降るるとも降りなん。いかにかく言ふぞ」
[訳] これくらい(の高さ)になったからには、飛び降りても、降りることができるだろう。どうしてこのように言うのか。
③
どれほど。どんなにか。
出典十訓抄 三
「いかにこころもとなくおぼすらん」
[訳] どれほど気がかりに思っていらっしゃるのであろうか。
④
なんと。じつに。
出典大鏡 序
「世はいかに興あるものぞや」
[訳] 世の中はなんとおもしろいものだろう。
⑤
どんなに(…だとしても)。▽中世以降、仮定表現を伴い逆接条件を表す。
出典平家物語 一一・能登殿最期
「いかに猛(たけ)うましますとも、我ら三人取りついたらんに」
[訳] どんなに強くいらっしゃったとしても、我々三人で組みついたならば。
おい。もしもし。▽呼びかけるときに発する語。
出典平家物語 九・宇治川先陣
「いかに佐々木殿、高名(かうみやう)せうどて、不覚し給(たま)ふな」
[訳] おい佐々木殿、手柄を立てようとして、油断して失敗しなさるな。
参考
[一]は形容動詞「いかなり」の連用形とする説もある。
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