学研全訳古語辞典 |
い
《接続》種々の語に付く。〔念押し〕…よ。
出典末広がり 狂言
「習うて成ることならば教へてくだされい」
[訳] 習って(たやすく)できることなら教えてくださいよ。◆室町時代以降の語。
い
《接続》体言や活用語の連体形に付く。〔強調〕…こそ。とくにその。
出典万葉集 一八五一
「春風に乱れぬい間(ま)に」
[訳] 春風に乱れてしまわないその間に。◆上代語。
参考
主語の下に付く「い」を格助詞、副助詞「し」・係助詞「は」の上に付く「い」を副助詞とする説がある。
い-
動詞に付いて、意味を強める。「い隠る」「い通ふ」「い行く」。◆上代語。
い 【井・亥・居・率・猪】
⇒ゐ
い 【寝・睡】
眠ること。睡眠。
出典更級日記 かどで
「恐ろしくていも寝(ね)られず」
[訳] 恐ろしくて、眠ることもできない。
参考
単独では用いられず、「朝寝(あさい)」「熟寝(うまい)」「安寝(やすい)」などの複合語を作るか、助詞「を」「も」などを伴って動詞「寝(ぬ)」と共に「いを寝(ぬ)」「いも寝(ぬ)」として用いられる。後者は打消の語を伴うのが普通。
い- 【斎】
〔神事に関する名詞に付いて〕神聖な。清浄な。▽不浄を清める意を表す。「い垣」
い 【異】
①
普通と違うこと。不思議なこと。
②
四相(=万物が変化していく四種の相)の一つ。物事が変化していくこと。◇仏教語。
い 【網】
くもの糸。また、その巣。
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