学研全訳古語辞典 |
いたは・し 【労し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
苦労だ。
出典日本書紀 景行
「臣(やつかれ)いたはしといふとも、頓(ひたぶる)にその乱れを平(む)けむ」
[訳] (たとえ)私には苦労であっても、ひたすらその乱を平定しよう。
②
病気で苦しい。
出典万葉集 八八六
「己(おの)が身しいたはしければ」
[訳] 自分の体が病気で苦しいので。
③
大切にしたい。いたわってやりたい。
出典方丈記
「わが身は次にして、人をいたはしく思ふ間に」
[訳] 自分の身は二の次にして、相手を大切にいたわりたいと思っているので。
④
気の毒だ。痛々しい。
出典平家物語 灌頂・大原御幸
「さこそ世を捨つる御身といひながら、御いたはしうこそ」
[訳] いくら世を捨てたお身の上とはいっても、まことにお気の毒なことで(ございます)。◇「いたはしう」はウ音便。
いたわし 【労し】
⇒いたはし
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