学研全訳古語辞典 |
いたはり 【労り】
①
骨折り。功績。手柄。
出典源氏物語 葵
「君たちも、いたはり望み給(たま)ふことどもありて」
[訳] ご子息たちも、功績(として昇進)を望みなさることなどがあるので。
②
用心深く大切に扱うこと。手間。工夫。
出典源氏物語 松風
「何のいたはりもなく建てたる寝殿の」
[訳] 特にどうという工夫もなく建てた寝殿の。
③
ねぎらうこと。世話をすること。
出典源氏物語 須磨
「この御いたはりにかからぬ人なく」
[訳] 源氏のお世話に頼らない人はなく。
④
病気。
出典平家物語 九・木曾最期
「山吹はいたはりあって、都にとどまりぬ」
[訳] 山吹は病気になって、京の都にとどまった。
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