学研全訳古語辞典 |
いたは・る 【労る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
気をつかう。苦労する。骨を折る。
出典源氏物語 少女
「『…』と申させたれば、『さもやいたはらまし』と大殿も思(おぼ)いたるを」
[訳] (惟光(これみつ)は源氏に)「…」と申し上げたので、「そのように骨を折ってやろうか」と大殿(=源氏)もお思いになったのを。
②
病気になる。
出典平家物語 一〇・三日平氏
「をりふしいたはる事候(さうら)ひて、下り候はず」
[訳] ちょうどその時病気することがございまして、下って来ません。
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
ねぎらう。手厚くもてなす。
出典奥の細道 大垣
「蘇生(そせい)の者に会ふがごとく、且(か)つ悦(よろこ)び且ついたはる」
[訳] 生き返った人に会うかのように、一方では(私の無事を)喜び、一方ではねぎらってくれる。
②
治療する。休養する。
出典平家物語 四・競
「此(こ)のほどあまりに乗り損じて候(さうら)ひつるあひだ、しばらくいたはらせ候はんとて」
[訳] このところあまりに乗りすぎて疲れさせてしまいましたので、しばらく休養させようと思いまして。
いたわる 【労る】
⇒いたはる
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