学研全訳古語辞典 |
うら-も-な・し 【心も無し】
分類連語
①
何気ない。無心である。くったくがない。
出典万葉集 三四四三
「うらもなく我が行く道に青柳(あをやぎ)の萌(は)りて立てればもの思(も)ひ出(で)つも」
[訳] 何気なく私が歩いて行く道に柳が青く芽吹いているので、(恋人のことを)ふと思い出したことだ。
②
隔てがない。隠し立てがない。なんの遠慮もない。
出典源氏物語 帚木
「例の、うらもなきものから、いともの思ひ顔にて」
[訳] (夕顔は)いつものように、(心に)隔てのないものの、ひどくもの思いに沈んだ顔つきで。◆「うら」は心の意。
なりたち
名詞「うら」+係助詞「も」+形容詞「なし」
こころ-も-な・し 【心も無し】
分類連語
深く考えない。あさはかである。
出典好色一代男 浮世・西鶴
「これをこころもなく着る事、いかに遊女なればとてもったいなし」
[訳] (狩野雪信が描いた)この着物を深く考えずに着ることは、いかに遊女だからといってももったいない。
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