学研全訳古語辞典 |
まつは・る 【纏はる】
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
①
からみ付く。巻き付く。
出典源氏物語 若菜上
「物にひきかけ、まつはれけるを」
[訳] (猫は綱を)物にひっかけ、(綱が)からみ付いてしまったので。
②
いつもそばに付いている。付きまとう。
出典源氏物語 帚木
「いづくにてもまつはれきこえたまふほどに」
[訳] (頭(とう)の中将は源氏に)どこでもいつもそばに付き申し上げなさっているうちに。
③
執着する。とらわれる。
出典源氏物語 常夏
「をかしき事のすぢにのみ、まつはれて侍(はべ)めれば」
[訳] 風流な事柄にばかり執着しておりますので。
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
[一]
①
に同じ。
出典万葉集 三二四八
「藤波(ふぢなみ)の(=枕詞(まくらことば))思ひまつはり」
[訳] 思いがからみ付き。
まとは・る 【纏はる】
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
①
「まつはる[一]①」に同じ。
出典狭衣物語 一
「紐(ひも)どものまとはれたりける」
[訳] 紐などがからみ付いていた。
②
「まつはる[一]②」に同じ。
出典更級日記 大納言殿の姫君
「姉妹(あねおとと)の中につとまとはれて、をかしがりらうたがるほどに」
[訳] (猫が)姉妹の間にぴったりまとわりついて、(姉妹が)おもしろがりかわいがっているうちに。
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
「まつはる[二]」に同じ。
出典沙石集 七
「五、六尺ばかりなる蛇(じや)、まとはりて」
[訳] 五、六尺ばかりの蛇が、(妻に)巻き付いて。
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