学研全訳古語辞典 |
かしこまり 【畏まり】
①
恐れ入ること。恐縮。慎み。
出典竹取物語 貴公子たちの求婚
「きたなげなる所に、年月を経(へ)て物し給(たま)ふこと、極まりたるかしこまり」
[訳] (こんな)見苦しい所に、長い間お通いくださいますことは、この上なく恐れ入ること(でございます)。
②
お礼。
出典源氏物語 若紫
「いと、むつかしげに侍(はべ)れど、かしこまりをだに」
[訳] たいそう、むさくるしうございますが、せめてお礼だけでも(申したい)。
③
謝罪。おわび。
出典源氏物語 椎本
「え参らぬ由(よし)のかしこまり申し給(たま)へり」
[訳] 参上できない事情についてのおわびを申し上げなさった。
④
(朝廷からの)おとがめ。勅勘(ちよつかん)。
出典枕草子 うへにさぶらふ御猫は
「かしこまり許されて、もとのやうになりにき」
[訳] おとがめを許されて、もとのようになった。
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