学研全訳古語辞典 |
しつ 【失】
①
損失。
出典徒然草 一六四
「世間の浮説(ふせつ)、人の是非、自他のためにしつ多く」
[訳] 世間のうわさ、他人の批判は、お互いのために損失が多く。
②
あやまち。失敗。
出典徒然草 一八七
「巧みにしてほしきままなるは、しつの本(もと)なり」
[訳] 器用でも勝手気ままなのは、失敗のもとである。
③
欠点。きず。
出典徒然草 一六七
「他に勝ることのあるは、大きなるしつなり」
[訳] 他人よりすぐれた点があるのは、大きな欠点だ。
④
弊害。
出典徒然草 一三〇
「これみな、争ひを好むしつなり」
[訳] これはみな、勝負ごとを好む弊害だ。
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