学研全訳古語辞典 |
ふつつか・なり 【不束なり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
どっしりしている。重々しい。
出典宇津保物語 蔵開上
「いと大きやかに、ふつつかに肥え給(たま)へるが」
[訳] たいそう大きくて、どっしりとお太りになっているのが。
②
不格好だ。ごつい。
出典源氏物語 夕顔
「少し黒みやつれたる旅姿、いとふつつかに心づきなし」
[訳] 少し黒ずんでやつれている旅の姿は、たいそう不格好で興味が持てない。
③
軽率だ。
出典徒然草 五
「不幸に愁へに沈める人の、頭(かしら)おろしなど、ふつつかに思ひとりたるにはあらで」
[訳] 不幸なことに悲しみに沈んでいる人が、髪をそって出家するといったふうに、(一時の興奮などで)軽率に決心したのではなくて。
注意
現代語の「行き届かない」意味はない。
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