学研全訳古語辞典 |
ふす・ぶ 【燻ぶ】
活用{べ/べ/ぶ/ぶる/ぶれ/べよ}
①
いぶる。くすぶる。
出典徒然草 一九
「蚊遣(かや)り火ふすぶるもあはれなり」
[訳] 蚊遣り火がくすぶっているのももの寂しく心ひかれる。
②
嫉妬(しつと)する。やきもちをやく。
出典枕草子 くるしげなるもの
「思ふ人二人もちて、こなたかなたふすべらるる男」
[訳] 愛する人を二人持って、両方から嫉妬される男(は困っているように見える)。
③
すねる。
出典蜻蛉日記 上
「隣さかしらするまで、ふすべかはして」
[訳] 隣からいらぬおせっかいをするまで、互いにすねあって。
活用{べ/べ/ぶ/ぶる/ぶれ/べよ}
いぶす。くすぶらせる。
出典源氏物語 須磨
「柴(しば)といふ物、ふすぶるなりけり」
[訳] 柴というものを、いぶしているのであった。
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