学研全訳古語辞典 |
もみぢ 【紅葉・黄葉】
①
秋に草木の葉が赤や黄に色づくこと。また、その葉。紅葉(こうよう)。[季語] 秋。
出典万葉集 一〇九四
「うまさけ(=枕詞(まくらことば))三室(みむろ)の山はもみちしにけり」
[訳] 三室の山は紅葉したことだ。
②
襲(かさね)の色目の一つ。表は紅、裏は青。一説に、表は赤色、裏は濃い赤色。秋に用いる。紅葉襲(もみじがさね)。
参考
(1)紅葉は秋を代表する景物の一つで、平安時代、戸外での紅葉狩りや宮廷内での紅葉の賀などの行事が盛んに行われた。また、「紅葉」といえば鹿(しか)との取り合わせが有名であるが、『万葉集』を始め、それ以後の和歌集でも、鹿はカエデではなく萩(はぎ)の花と取り合わされることが多い。本来、萩の下葉の紅葉を踏み分けて妻恋する鹿の鳴くさまが秋の情趣を代表するものであったと思われる。(2)『万葉集』では「黄葉」と表記するのがふつうで、これは中国の詩文の影響もあるだろうが、大和地方に多い雑木の黄葉に即した用字であろう。
もみぢ-ば 【紅葉・黄葉】
紅葉または黄葉した木の葉。[季語] 秋。
出典古今集 秋下
「風吹けば落つるもみぢば水清み散らぬ影さへ底に見えつつ」
[訳] ⇒かぜふけばおつるもみぢば…。◆古くは「もみちば」。
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