学研全訳古語辞典 |
しづま・る 【鎮まる・静まる】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
(神が)鎮座する。
出典万葉集 一九九
「神(かむ)ながらしづまりましぬ」
[訳] 神として鎮座なさった。
②
(騒ぎや戦乱などが)おさまる。穏やかになる。
出典平家物語 七・還亡
「兵革(へいがく)しづまらば」
[訳] もし戦乱がおさまったら。
③
(声・音が)やむ。静かになる。
出典源氏物語 葵
「少し御声もしづまり給(たま)へれば」
[訳] 少しお声も静かになられたので。
④
眠りにつく。寝静まる。
出典徒然草 二九
「人しづまりて後、長き夜のすさびに」
[訳] 人が寝静まってから後、長い夜の慰みごとに。
⑤
(性格・態度などが)落ち着く。物静かになる。
出典源氏物語 帚木
「恥づかしげにしづまりたれば、うち出(い)でにくし」
[訳] はずかしそうに、物静かになっているので、言い出しにくい。
⑥
(勢いが)衰える。
出典源氏物語 野分
「御いきほひの、しづまりて」
[訳] 勢いが衰えて。
鎮まるのページへのリンク |