学研全訳古語辞典 |
しづ・む 【鎮む】
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
①
(騒動・戦乱を)おさめる。しずめる。
出典源氏物語 明石
「住吉の神、近き境をしづめ守り給(たま)へ」
[訳] 住吉の神よ、近辺をおさめ、守ってくださいませ。
②
(声・音を)小さくする。
出典源氏物語 葵
「声しづめて法華(ほけ)経を読みたる」
[訳] 声を小さくして法華経を読んでいる。
③
〔「人をしづむ」の形で〕寝静まるのを待つ。
出典伊勢物語 六九
「女、人をしづめて、子(ね)一つばかりに、男のもとに来たりけり」
[訳] 女は、人が寝静まるのを待って、子一つ(=午前零時)ごろになって男のところへ来たのだった。
④
(気持ちを)落ち着かせる。平静にさせる。
出典源氏物語 若菜上
「弁の君もえしづめず、立ちまじれば」
[訳] 弁の君も平静でいられず、仲間に入ったので。
しずむ 【沈む・鎮む】
⇒しづむ
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