学研全訳古語辞典 |
おち-い・る 【落ち入る・陥る】
活用{ら/り/る/る/れ/れ}
①
落ち込む。はまり込む。流れ込む。
出典源氏物語 浮舟
「棹(さを)さしはづしておちいり侍(はべ)りにける」
[訳] (少年が)棹をつき誤って(川に)落ち込んでしまった。
②
落ちくぼむ。へこむ。
出典源氏物語 紅葉賀
「目皮(まかは)いたく黒みおちいりて」
[訳] まぶたがひどく黒ずみ落ちくぼんで。
③
死ぬ。気絶する。
出典平家物語 一一・嗣信最期
「手負ひのただ今おちいるに」
[訳] 負傷者がたった今死んだので。
おとし-い・る 【落とし入る・陥る】
活用{れ/れ/る/るる/るれ/れよ}
ほうり込む。
出典枕草子 右衛門の尉なりける者の
「伊予(いよ)の国よりのぼるとて、波におとしいれけるを」
[訳] 伊予の国(愛媛県)から上京するというので、海の波間に(親を)ほうり込んだのを。
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