学研全訳古語辞典 |
うち-うち 【内内】
①
家の中。
②
心の中。内情。
出典源氏物語 紅葉賀
「うちうちの有様は知り給(たま)はず」
[訳] 心の中のようすは知りなさらない。
③
非公式なこと。うちわ。
出典源氏物語 少女
「これは御わたくしざまに、うちうちの事なれば」
[訳] この催しは非公式で、うちわのことなので。
ひそかに。ないないに。
出典徒然草 一五〇
「うちうちよく習ひ得てさし出(い)でたらんこそ」
[訳] (一芸を身につけるのに)ひそかによく習得してから人前に出たようなのこそ。
ない-ない 【内内】
こっそり。ひそかに。
出典平家物語 九・宇治川先陣
「人目には何とも見えざりけれども、ないないは先に心をかけたりければ」
[訳] 人目には何とも見えなかったが、ひそかには(二人とも)先陣を切ろうと心に決めていたので。
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