学研全訳古語辞典 |
ジ 【地・治・持】
⇒ぢ
ぢ 【地】
①
陸地。地上。
出典平家物語 二・阿古屋之松
「『これはなほ舟津(ふなつ)近うて、悪(あ)しかりなん』とてぢへ渡し奉り」
[訳] 「これではまだ船着き場が近くて、よくないだろう」といって、陸地へお移し申し上げ。
②
その土地。地元。
③
(囲碁で)石で囲んで占めた盤面。
④
生まれつき。本性。
⑤
(布・紙などの)生地(きじ)。
⑥
現実。実際。
⑦
(文章や語り物の)地の文。
つち 【土・地】
①
大地。地面。土の上。
出典竹取物語 かぐや姫の昇天
「つちより五尺ばかり上がりたる程に」
[訳] 地面から五尺ほど上がったあたりに。
②
土。土くれ。
③
醜い容貌(ようぼう)のたとえ。
出典源氏物語 蜻蛉
「御前なる人は、まことにつちなどの心地(ここち)ぞするを」
[訳] 御前にいる人は、ほんとうに土のように醜い容貌といった気がするのを。
④
「ぢげ①」に同じ。
出典落窪物語 一
「つちの帯刀(たちはき)の、歳(とし)二十ばかり」
[訳] 地下(じげ)の身分の帯刀で、年齢が二十歳ぐらい。
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