学研全訳古語辞典 |
いえ 【家】
⇒いへ
いは 【家】
家(いえ)。◆上代の東国方言。
いひ 【家】
家(いえ)。◆上代の東国方言。
いへ 【家】
①
住居。住まい。
出典方丈記
「昔ありしいへはまれなり」
[訳] (今ある家で)昔からあった住居はめったにない。
②
自宅。我が家。
出典万葉集 一四二
「いへにあれば笥(け)に盛る飯(いひ)を」
[訳] ⇒いへにあれば…。
③
一族。一家。家族。妻。
出典平家物語 九・宇治川先陣
「木曾(きそ)殿のいへの子に、長瀬判官代重綱(しげつな)」
[訳] 木曾殿の一族の家来で、長瀬判官代重綱(と申す)。
④
家柄。血筋。名門。
出典平家物語 九・敦盛最期
「武芸のいへに生まれずは、何とてかかる憂き目をば見るべき」
[訳] 武士の家柄に生まれなかったならば、どうしてこんなつらい目にあっただろうか。
参考
「いへ」と「や(屋)」の違い 「や」が建物自体をさすのに対し、「いへ」は人の生活のよりどころとする場所をさす。
へ 【家】
家(いえ)。◆「いへ」の変化した語。
や 【屋・家・舎】
①
家屋。家(いえ)。建物。
②
屋根。
出典竹取物語 竜の頸の玉
「やの上に糸を染めて色々に葺(ふ)かせて」
[訳] 屋根の上に糸を染めて色とりどりにふかせて。
-や 【屋・家・舎】
①
取り扱い商品名の下に付けて、その職業の家、または、人を表す。「米や」「酒や」。
②
商・工業などの営業者、また、役者の屋号に用いる。「越後や」「成田や」。
③
書斎の名や文人などの雅号に用いる。「鈴のや(=本居宣長(もとおりのりなが)の書斎の名)」
え 【重・上・戸・方・家】
⇒へ
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