学研全訳古語辞典 |
じん-じゃう・なり 【尋常なり】
活用{なら/なり・に/なり/なる/なれ/なれ}
①
普通だ。あたりまえだ。並みだ。
出典今昔物語集 二八・四
「一人としてじんじゃうなる者なし」
[訳] 一人として普通の者はいない。
②
しとやかだ。上品だ。
出典花鏡 幽玄之入堺事
「姿の幽玄ならんためには、じんじゃうなる仕立ての風体をならひ」
[訳] 姿が優美で美しくあるためには、上品な扮装(ふんそう)のしかたを習い。
③
結構だ。りっぱだ。
出典平家物語 一一・那須与一
「じんじゃうに飾ったる小舟一艘(さう)」
[訳] りっぱに飾った小舟が一艘。
④
殊勝だ。いさぎよい。
出典太平記 三
「敵ながら弓矢取ってじんじゃうに死したる者かな」
[訳] 敵ではあるが、弓矢を取っていさぎよく死んだ者であることよ。
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