学研全訳古語辞典 |
う-しん 【有心】
①
思慮・分別があること。
②
情趣を解する心のあること。風流心があること。
出典枕草子 小白河といふ所は
「あまりうしんすぎて、しそこなふな」
[訳] あまり風流心があることを見せすぎて、(返事を)しそこなうな。
③
〔卑俗を主眼とする「狂歌」を「無心」というのに対して〕優美を主眼とする本来の和歌。⇒有心
分類文芸
④
「有心連歌」の略。⇒有心連歌(うしんれんが)
分類文芸
有心
分類文芸
鎌倉・室町時代の和歌・連歌(れんが)の美的理念の一つ。余情を重んじた高度の象徴美で、内容・用語・格調などが融合するところに生じる、はなやかな情趣をいう。藤原定家(ふじわらのさだいえ)が唱えた理念で、父俊成(としなり)の説いた「幽玄(ゆうげん)」の理念をさらに深化・発展させたものである。定家は、その歌論書『毎月抄(まいげつしよう)』で、最もすぐれている歌体として有心体(うしんてい)をあげている。[反対語] 無心。
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