学研全訳古語辞典 |
いまだ・し 【未だし】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
未熟だ。まだその時期でない。
出典源氏物語 夢浮橋
「母に、いまだしきに言ふな」
[訳] 母には、まだその時期ではないので話してはいけない。
まだ・し 【未だし】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
まだその時期になっていない。時期尚早だ。
出典古今集 夏
「五月(さつき)来(こ)ば鳴きもふりなむほととぎすまだしきほどの声を聞かばや」
[訳] 五月になれば鳴き声も古く感じられるだろう。ほととぎすよまだその時期になっていない(ういういしい)声が聞きたいものだ。
②
未熟である。まだ整わない。不十分である。
出典枕草子 うらやましげなるもの
「琴・笛など習ふ、またさこそは、まだしきほどは、これがやうにいつしかとおぼゆらめ」
[訳] 琴・笛などを習うときは、またそのように、未熟な間は、この人のようにいつになったら(上手になるのか)と感じていることだろう。
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