学研全訳古語辞典 |
うら 【末】
草木の枝や葉の先端。枝先。こずえ。
うれ 【末】
草木の枝や葉の先端。「うら」とも。
すえ 【末】
⇒すゑ
すゑ 【末】
①
先端。末端。
出典源氏物語 若紫
「髪の美しげにそがれたるすゑも」
[訳] (尼君の)髪がきれいに切り落とされている先端も。
②
下。果て。奥。
出典平家物語 九・宇治川先陣
「この川は近江(あふみ)の湖のすゑなれば」
[訳] この川は近江の(琵琶(びわ))湖の下の流れなので。
③
将来。未来。後の世。
出典源氏物語 若紫
「初草の生(お)ひゆくすゑも知らぬ間にいかでか露の消えむとすらむ」
[訳] ⇒はつくさの…。
④
子孫。
出典大鏡 時平
「この大臣(おとど)の御すゑはおはせぬなり」
[訳] この大臣(=時平)のご子孫はいらっしゃらないのである。
⑤
終わり。
出典徒然草 九一
「この日あること、すゑ通らずと言ひて」
[訳] この日に起こることは、終わりを全うしないと言って。
⑥
結果。
出典増鏡 新島守
「その恨みのすゑなどより、事起こるなりけり」
[訳] その恨みの結果などから、事件が起こるのであった。
⑦
和歌の下の句。
出典枕草子 清涼殿の丑寅のすみの
「歌どもの本(もと)を仰せられて、『これがすゑいかに』と問はせ給(たま)ふに」
[訳] 多くの歌の上の句を仰せになられて「この下の句は何か」とお尋ねになるので。[反対語]①~⑦本(もと)。
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