学研全訳古語辞典 |
しら・む 【白む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
①
白くなる。明るくなる。
出典今昔物語集 一三・一二
「夜、やうやく明けしらむ程に」
[訳] 夜が、だんだん明けて明るくなるにつれて。
②
衰える。
出典宇津保物語 俊蔭
「手触れで久しくなりにけるに、声もしらまず」
[訳] 手を触れないままで長い時がたったのに、音色も衰えず。
③
勢いがくじける。ひるむ。
出典曾我物語 八
「すでに矢をこそ抜き出(い)だす。源太も、しらまぬ者なれば」
[訳] 早くも矢を抜き出す。源太もひるまない男なので。
しろ・む 【白む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
①
白くなる。白みを帯びる。
出典枕草子 関白殿、二月二十一日に
「まだ暗うてよくも見えざりつるを、しろみたる者の侍(はべ)りつれば」
[訳] まだ暗くてよくも見えなかったのが、白っぽく見えている者がいたので。
②
ひるむ。たじろぐ。
出典太平記 三二
「山名が兵ども進みかねて、少ししろうてぞ見えたりける」
[訳] 山名方の兵たちが進むことができずに、少しひるんで見えていた。
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
白くする。
出典枕草子 職の御曹司におはします頃、西の廂にて
「衣(きぬ)もしろめず、同じ煤(すす)けにてあれば」
[訳] 衣服も白くせず、同じようにすすけていたので。
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