学研全訳古語辞典 |
のぞ・く 【覗く・覘く】
活用{か/き/く/く/け/け}
①
すきまや物陰を通して見る。うかがい見る。
出典源氏物語 夕顔
「をかしき額(ひたひ)つきの透き影、あまた見えてのぞく」
[訳] 美しい額の形の(簾(すだれ)越しに透けて見える女の)姿が、たくさん見えて(こちらを)うかがい見る。
②
ちょっと立ち寄って、見る。のぞき見る。
出典源氏物語 花散里
「西面(にしおもて)には、わざとなく忍びやかにうち振る舞ひ給(たま)ひて、のぞき給へるも」
[訳] (花散里のいる)西側の部屋には、わざと(の訪問)でなく、目立たぬようになさって、ちょっと立ち寄ってごらんになっても。
③
見下ろす。のぞき込む。
出典源氏物語 手習
「川近き所にて、水をのぞき給(たま)ひて」
[訳] 川に近い所で、水を見下ろしなさって。
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