学研全訳古語辞典 |
ま・く 【負く】
活用{け/け/く/くる/くれ/けよ}
①
負ける。敗れる。
出典徒然草 一一〇
「勝たんと打つべからず、まけじと打つべきなり」
[訳] (すごろくは)勝とうと(思って)打ってはならない、負けまいと(思って)打つべきである。
②
気がひける。ひけめを感じる。
出典土佐日記 一・四
「にぎははしきやうなれど、まくる心地(ここち)す」
[訳] 景気がよいようだが、(返礼もろくにできないで)気がひける感じがする。
③
相手の主張に従う。譲る。
出典竹取物語 火鼠の皮衣
「まことならめと思ひて、人の言ふことにもまけめ」
[訳] 本物だろうと思って、人の言うことにも従おう。
活用{け/け/く/くる/くれ/けよ}
値引きする。まける。
出典胸突 狂言
「そのわび事に、今までの利分(りぶん)をばまけておまさうぞ」
[訳] そのおわびに、今までの利息分をまけてさしあげよ。◆[二]は近世語。
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