学研全訳古語辞典 |
くろ・む 【黒む】
活用{ま/み/む/む/め/め}
①
黒くなる。黒ずむ。
出典源氏物語 薄雲
「殿上人(てんじやうびと)など、なべて一つ色にくろみわたりて」
[訳] 殿上人などが、すべて一色に黒くなって(=喪服を着て)いて。
②
なんとか暮らしが立つ。なんとか暮らせるようになる。
出典西鶴織留 浮世・西鶴
「互ひに身のくろみて後、また一つの寄り合ひ成ること」
[訳] 互いに自分がなんとか暮らせるようになってから、また一緒に暮らせるようになること。
活用{め/め/む/むる/むれ/めよ}
①
黒くする。黒く染める。
出典落窪物語 三
「蘇芳(すはう)を割りて少し色くろめて」
[訳] すおうの木を割って少し色を黒くして。
②
取り繕う。ごまかす。
出典世間胸算用 浮世・西鶴
「穴をくろめし古綿」
[訳] (ねずみが巣の)穴をごまかした古綿。
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