学研全訳古語辞典 |
くち-つき 【口付き】
①
口のかっこう。口もとのようす。
出典枕草子 職の御曹司の西面の
「ただくちつき愛敬(あいぎやう)づき」
[訳] ただ口もとのようすは愛らしく。
②
ものの言い方。歌の詠みぶり。
出典源氏物語 常夏
「をかしの御くちつきや。『待つ』とのたまへるを」
[訳] 趣のある歌のお詠みぶりだなあ。(巧みに)「待つ」と仰せになったことよ。
③
牛馬の口につけた綱を取って引くこと。また、その人。口取り。
出典徒然草 八七
「くちつきの男(をのこ)に、まづ一度せさせよ」
[訳] 馬の口取りの男に、とりあえず(酒を)一杯飲ませよ。
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