学研全訳古語辞典 |
やかま・し 【喧し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
騒がしい。うるさい。
出典冥途飛脚 浄瑠・近松
「はて、やかましい。この忠兵衛をそれほどたはけと思ひやるか」
[訳] えい、うるさい。この忠兵衛をそんなに愚か者と思うのか。
②
わずらわしい。めんどうだ。
出典傾城禁短気 浮世
「お世話をやかましうおぼし召してのことと」
[訳] お世話をわずらわしくお思いになってのことだと。◇「やかましう」はウ音便。
③
厳格だ。厳しい。
出典浮世風呂 滑稽
「どのやうにやかましく申しても、折り屈(かが)みが直りませぬ」
[訳] どのように厳しく申しても、行儀作法が直りません。
かま-びす・し 【囂し・喧し】
活用{(く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ}
うるさい。やかましい。騒がしい。
出典曾丹集
「かまびすくすだきし虫も」
[訳] やかましく鳴いた虫も。
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
[一]に同じ。
出典方丈記
「波の音、常にかまびすしく」
[訳] 波の音は、常にやかましく。◆鎌倉時代以降に用いられる。
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