学研全訳古語辞典 |
むせ・ぶ 【噎ぶ・咽ぶ】
活用{ば/び/ぶ/ぶ/べ/べ}
①
むせる。(胸などに)つかえる。
出典方丈記
「或(ある)いは煙(けぶり)にむせびて倒れ伏し」
[訳] あるいは煙にむせて倒れ伏し。
②
声をつまらせながら激しく泣く。むせび泣く。
出典万葉集 四三九八
「涙をのごひむせひつつ語らひすれば」
[訳] 涙をふきむせび泣きながら話しかけるので。
③
むせび泣くような音・声を立てる。
出典徒然草 三〇
「嵐(あらし)にむせびし松も、千年(ちとせ)を待たで」
[訳] 嵐にむせび泣くように鳴った松も、千年とたたないうちに。
④
流れなどが、つかえる。滞る。
出典源氏物語 朝顔
「遣(や)り水もいといたくむせびて」
[訳] 遣り水もたいそうひどく流れがつかえて。◆古くは「むせふ」。
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