学研全訳古語辞典 |
おびたた・し 【夥し】
活用{(しく)・しから/しく・しかり/し/しき・しかる/しけれ/しかれ}
①
程度が甚だしい。ものすごい。
出典平家物語 九・宇治川先陣
「白波おびたたしうみなぎり落ち」
[訳] 白波がものすごく満ちあふれて流れ落ち。◇「おびたたしう」はウ音便。
②
騒がしい。
出典大鏡 道隆
「はと一度に笑ひたりし声こそいとおびたたしかりしか」
[訳] はっはっと一度に笑った声は、たいそう騒がしかった。
③
(規模が)非常に大きい。
出典平家物語 五・咸陽宮
「あまりに内裏(だいり)のおびたたしきを見て」
[訳] あまりに内裏が大きいのを見て。
④
非常に多い。
出典平家物語 二・大納言流罪
「山門の大衆(だいしゆ)おびたたしう蜂起(ほうき)して」
[訳] 比叡山(ひえいざん)延暦(えんりやく)寺の僧たちが非常に多くいっせいに行動を起こして。
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