学研全訳古語辞典 |
すがた 【姿】
①
容姿。体つき。
出典今昔物語集 三一・三三
「まことに端正(たんじやう)のすがたならば、すみやかに后(きさき)とせむ」
[訳] 本当に美しい容姿ならば、ただちに后にしよう。
②
身なり。服装。
出典方丈記
「よろしきすがたしたる者、ひたすらに家ごとに乞(こ)ひありく」
[訳] 相当な身なりをしたものが、懸命に家々を回って食べ物をもらい歩く。
③
外見。外形。かっこう。趣のあるようす。
出典枕草子 花の木ならぬは
「すがたなけれど、すろの木、唐(から)めきて、わるき家のものとは見えず」
[訳] 趣のあるようすはない(=外見は悪い)が、しゅろの木は異国的で、貧しい家のものとは見えない。
④
表現のしかた。▽和歌や俳諧(はいかい)などでいう。
出典徒然草 一四
「すがたも清げに、あはれも深く見ゆ」
[訳] (昔の人の詠んだ和歌は)表現のしかたもきれいで、しみじみとした情緒も深く感じられる。
参考
「すがた」と「かたち」の違い 人の場合、「かたち」が顔つき・容貌(ようぼう)についていうのに対し、「すがた」は体つき・身なりなど全体的な姿態をいう。
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