学研全訳古語辞典 |
きっ-と 【屹度・急度】
①
すばやく。さっと。
出典平家物語 七・経正都落
「かかる怱劇(そうげき)の中にも、その御名残きっと思ひ出(い)でて」
[訳] このような慌ただしいさ中にも、お別れを申そうとさっと思い出して。
②
厳しく。きりっと。
出典平家物語 七・願書
「木曾(きそ)は羽丹生(はにふ)に陣取って、四方をきっと見回せば」
[訳] 木曾義仲は羽丹生に陣取って、四方をきりっと見回すと。
③
必ず。間違いなく。
出典平家物語 二・西光被斬
「きっと立ち寄り給(たま)へ」
[訳] 必ず立ち寄りください。◆「きと」の促音便。鎌倉時代以後の語。
屹度のページへのリンク |