学研全訳古語辞典 |
そ-・ず 【損ず】
活用{ぜ/じ/ず/ずる/ずれ/ぜよ}
そこなう。こわす。そんずる。▽他の動詞に付けて用いることが多い。
出典宇津保物語 国譲下
「すずろに仕うまつりそじたりや」
[訳] 不本意にも(歌を)よみそこないましたよ。◆「そんず」の撥音(はつおん)「ん」が表記されない形。
そん-・ず 【損ず】
活用{ぜ/じ/ず/ずる/ずれ/ぜよ}
いたむ。こわれる。
出典徒然草 八二
「羅(うすもの)の表紙は、とくそんずるがわびしき」
[訳] 薄い織物を張った(書物の)表紙は、すぐにいたむのが困りものだ。
活用{ぜ/じ/ず/ずる/ずれ/ぜよ}
①
こわす。だめにする。
出典徒然草 八一
「そんぜざらんためとて、品(しな)なく見にくきさまにしなし」
[訳] こわさないためにといって、下品にみっともないように作りあげ。
②
し損なう。しくじる。
出典平家物語 一一・那須与一
「射そんじ候ひなば」
[訳] (扇の的を)射そこないましたならば。
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