学研全訳古語辞典 |
そこな・ふ 【損ふ・害ふ】
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
①
(物を)傷つける。こわす。損ずる。
出典枕草子 故殿の御服のころ
「床子(さうじ)どもを、みなうち倒し、そこなひたり」
[訳] 腰掛けなどを、みな倒して、こわしてしまった。
②
(人を)傷つける。殺傷する。
出典方丈記
「身をそこなひ、かたはづける人、数も知らず」
[訳] 身体を傷つけ、不自由になった人は、数もわからない。
③
やつれさせる。衰えさせる。
出典徒然草 二
「民の愁(うれ)へ、国のそこなはるるをも知らず」
[訳] 国民の嘆き、国の衰えさせられてゆくのもさとらないで。
活用{は/ひ/ふ/ふ/へ/へ}
〔動詞の連用形に付いて〕(…するのに)失敗する。誤る。
出典源氏物語 若紫
「『書きそこなひつ』と、恥じて隠し給(たま)ふを」
[訳] 「書き誤った」と、恥ずかしがってお隠しになるのを。
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